秘密国家ベックミン

ミリタリー関係の情報を発信していきたいと思います。

ややこしやミャンマー軍 小火器分類を知って目指せタトマドゥマニア

f:id:BeckminhGG:20190329235229j:plain


ミャンマー軍、ミャンマー語でタトマドゥ。
パッと「あぁ~ミャンマー軍ね、知ってる知ってる イスラエルガリルをMA-1として国内向けに改良を施して国産化してて最近空軍がJF-17戦闘機を導入して……」となる人は日本では間違いなく少数派だと思います。たぶん。
ではその少数派になりましょう。

ミャンマー軍がどんな小火器を採用しているか、それらをどういう風に分類してるのか?
実はミャンマー軍の小火器の分類の仕方にはちょっとした混乱ポイントが待っています。




わかりやすかったビルマ時代

f:id:BeckminhGG:20190329235631j:plain
File:Mmg3.jpg - ဝီကီပီးဒီးယား
၀၆:၄၈၊ ၁၂ ဩဂုတ် ၂၀၀၉ by ပံ့ပိုး is licensed under CC BY-SA 3.0

ミャンマーの国名がまだビルマだった時代、ミャンマー軍…… ではなくビルマ軍は小火器等の装備に【BA-○○】という番号を付けていました。BAはそのままビルマ・アーミーの略ですね。
これは日本で言うところの○○式 ○○のところに採用した年度が入ります。

例としてG3A3型自動小銃ライセンス生産型はBA-63。つまり1963年に採用された装備だ、というわけです。
他にもUZI短機関銃ライセンス生産型はBA-93、つまり1993年。

ここまでは比較的分かりやすいのではないでしょうか?


ここからが難しいぞミャンマー

しかしここからが本番、国名がミャンマーに変わった後にミャンマー軍は新規装備を新しいナンバーで統一するようにします。恐らく国名を変えたことでビルマ・アーミーという採用名を変えたかったのではないでしょうか。
そこでミャンマー軍は【MA-◎◎ Mk.※】という新しいナンバーを取り入れます。MAはそのままミャンマー・アーミーですね。では◎◎とMk.※は果たして?

◎◎には装備の種類
Mk.※にはその種類で採用した順番に数字が入ります。

言葉だけで説明するのは分かりにくいので実例を持ってきてみましょう。

まずこちらのライフル、いい素材がなかったので稚拙ながら自分で書かせていただきました。

f:id:BeckminhGG:20190330040816j:plain

まず、ミャンマー軍では5.56mm自動小銃には【1】という数字を割り振っています。 なのでこの銃はMA-1という銃になります。
そして、この銃は【1】というナンバーでは最初に採用された銃なのでMk.I

f:id:BeckminhGG:20190330041023j:plain

この銃の名前はMA-1 Mk.Iとなるわけです。
どうでしょうか、なんとなくご理解いただけたのではないでしょうか?
では現時点で自分が調べたミャンマー軍の兵器分類番号をまとめさせていただきます。



1→5.56mm自動小銃
2→5.56mm自動小銃バリアント軽機関銃
3→5.56mm自動小銃バリアントカービン
4→5.56mm自動小銃(擲弾発射器装着型)
5→9mm自動拳銃
6→120mm迫撃砲
7→60mm迫撃砲
8→81mm迫撃砲
9→60mm小型迫撃砲
10→RPG
11→5.56mm自動小銃(本格的な調達はされず、試作型?)
12→5.56mm自動小銃バリアント軽機関銃(同上)
13→9mm短機関銃
14→81mm無反動砲
15→7.62mm汎用機関銃


……ややこしいですね。



把握すればむしろわかりやすい?

f:id:BeckminhGG:20190330045249j:plain
พิธีต้อนรับอย่างเป็นทางการ โดยนาย เต็ง เส่ง นายกรัฐมนตรีพ… | Flickr
Myanmar Army personnel at Naypyidaw reception.jpg by Peerapat Wimolrungkarat is licensed under CC BY-SA 3.0


初見では確かに面食らうナンバーではあります。
しかし覚えてしまえばもうあとは簡単。「あぁ、これはライフルにグレネードランチャーがついているからMA-4なんだな、ライフル本体の見た目がMk.IだからこれはMA-4 Mk.Iだろう」
と見分けがつくようになります。

逆に資料などにMA-15 Mk.Iと書いてあったら「この数字は7.62mmの汎用機関銃のことを意味している。 つまりミャンマーで生産しているMG3機関銃のことだな」
といった具合にささっと判断出来るようになります。

ここまで読んでミャンマー軍に興味を持った方、ぜひミャンマー軍について調べてその【沼】を実感してみませんか?





……実はBAにもMAにもこれらの法則からガッツリ外れた装備の存在があるのですが、ここではコッソリ言うに留めておきます。